9月号-不登校になった子どもに親ができること
娘が不登校になったとき、私は「どうにかしなければ」と思い、毎日送り迎えをしたり、嫌なことをできるだけ排除したり、いろんなことをした覚えがあります。
ですが、いろんなことを試したからといって、良い状況になったとは思えませんでした。
「子どもが不登校になったとき、親は何をすべきか?」
そう問われて、もし答えを一つだけ選ぶとしたら、今の私は「罪悪感を手放すこと」と答えるでしょう。
罪悪感を手放すということ
罪悪感は目に見えないものですが、私たちの道を大きく阻むものになることがあります。
もちろん、罪悪感そのものが悪いわけではありません。「この行動はやめておこう」「あまりいい気持ちがしなかったから、今度はこうしてみよう」と、自分の行動を振り返るきっかけになることもあります。
けれど、あまりにも多くの罪悪感を抱えてしまうと、身動きが取れなくなり、体が重くなったり、無気力に陥ってしまうこともあるのではないでしょうか。
では、罪悪感とは何なのでしょう。
一般的には、自分が罪を犯した、または悪いことをしてしまったと感じる気持ちのことです。そして、その「悪いこと」の基準は、社会のルールだけではなく、私たち一人ひとりが持っているルールによっても違います。
例えば、「授業中にトイレに行くのは悪いこと」「トイレは休み時間に行くもの」というルールを持っていたら、お腹が痛くても先生に声をかけられないかもしれません。
私たちは知らず知らずのうちに、「こうするべき」「こうしてはいけない」というたくさんのルールを持っています。
そして、それは子育てにおいても同じです。
「親なのだから、子どもを学校に行かせなければ」 「子どものために、もっと何かしてあげなければ」 「こんな状態にしてしまったのは、私の関わり方が悪かったのではないか」
そんな思いが強くなると、「どうしたらこの状況を変えられるだろう」と正解を探すようになります。
私自身もそうでした。
何をすれば学校に行けるようになるのか、どうすれば娘が楽になれるのか、一生懸命考えて、いろいろな方法を試しました。
でも、「何とかしなければ」という気持ちが強くなるほど、子どもの言葉をそのまま聴くことが難しくなることがあります。
子どもが「学校に行きたくない」と言った時、「どうして?」「じゃあ、どうしたら行ける?」「こうしてみたら?」と、すぐに解決しようとしてしまう。
それは子どものために何とかしてあげたいという愛情から出ていることも多いでしょう。
けれど、その根底に「私が何とかしなければ」という罪悪感があると、子どもの気持ちを受け止めることよりも、「正しい答え」を探すことに意識が向いてしまいます。
すると子どもは「気持ちをわかってほしい」のに、親は「問題を解決しなければ」と頑張り、いつの間にか話がかみ合わなくなってしまうことがあります。
だからこそ、不登校になったときにまず必要なのは「何をすればいいのか」を探すことではなく、「私が何とかしなければ」「私のせいなのではないか」という自分を責める気持ちに気づき、少しずつ手放していくこと。
そして、子どもの言葉を「変えるため」ではなく、「知るため」に聴いてみる。
それが、親子の間に新しい風が入ってくるきっかけになるのだと思います。
不登校になった子どもに、何をすればいいのか。
まずは問題の解決をするのではなく、フラットな気持ちで子どもの言葉を聞いてみてください。

